CM関節症(しーえむかんせつしょう)とは?
親指の付け根にあるCM関節が、加齢により変形することで痛みが発生する疾患です。
CM関節は「母指手根中手関節」ともいい、親指の付け根の「第1中手骨」と手首付近の「大菱形骨」という骨で形成されていて、親指を動かす際に重要な関節となっています。
閉経後の女性(45歳以降)に多発しますが、近年では女性だけでなく男性でも多く、男女共にCM関節症を発生するでしょう。
ばね指(弾発指)との違いは、同じ親指の付け根の痛みですがCM関節症は主に手の甲側で、ばね指は手の平側に痛みを感じます。
また、ばね指は弾発現象といわれる、親指を曲げると伸びなくなり無理やり伸ばすとバネのように伸びる、特徴的な症状が現れますがCM関節症にはみられません。
CM関節症が起こる原因について
前述の通り、加齢によるCM関節の変形によって痛みが出てきます。
疾患の種類でいうと「変形性関節症」に分類され、膝関節や股関節に次ぐ頻度で発生するでしょう。
しかしながら、CM関節症は単なる加齢だけでなく、親指の使用頻度も重要です。
主婦の方であれば、洗濯物を畳んだり皿洗いをしたり、料理をしたりするとおのずとCM関節に負担が掛かってしまいます。
男性であっても、仕事で料理をしたり工場で細かい作業などをしたりすると、同じくCM関節症を発症する可能性があるでしょう。
CM関節症の気になる症状は?
CM関節症の一番多い症状として、親指を使う「つまみ動作」や「把持動作」をした時の痛みです。
つまり、小銭を出そうとつまんだり、野菜を切る際に把持したりするとCM関節に痛みが出やすく、日常生活に支障をきたすでしょう。
これらの動作は対立運動といって、親指と小指を付けるような動作をすると、CM関節は一番負担が掛かるため症状が現れます。
変形が進んでくると、関節の中でギシギシと音が鳴ったり、親指が人差し指側に近づいてしまったりします。
その他、高度の変形によりCM関節が亜脱臼を起こし、手の甲側に大きく出っ張り親指の動きが制限されてしまうでしょう。
臨床的にCM関節症かどうか検査する方法として、「グラインドテストgrind test」があります。
この検査法は親指を把持し、長軸方向に圧迫しながら回旋させ痛みを誘発させるもので、とても有効です。
CM関節症に有効な施術ってどんなもの?
結論から申し上げますと、CM関節症に有効な施術方法は装具療法です。
装具療法を行うことで、CM関節の動きを物理的に制限し安静を図ります。
変形の程度により、簡易なサポーターや強力なサポーターを使い分けたり、熱可塑性のプラスチックギプスを用いて手に適合した装具を作成したりするでしょう。
関節が変形して痛みが発生しているため、無理にストレッチをしたりマッサージしたりするのは厳禁です。
むしろ痛みが増大してしまう恐れがありますので、ネットの情報を全て鵜呑みにしないでください。
機械を使った物理療法も有効で、低周波や超音波により痛みの緩和を行います。
それでも痛みが改善しない場合は手術適応となりますが、手の手術はとても難しいため慎重に判断しましょう。
方法としては靭帯再建術・インプラント置換術・関節固定術・大菱形骨切除術などがあり、好成績を残しているものもあります。
まとめ
CM関節症は関節の変形が軽度のものであれば、装具療法で改善する疾患です。
しかしながら、変形が高度になり痛みが強くなれば、改善する可能性が低くなってきます。
変形の程度は、エコー(超音波観察装置)やレントゲンで判断可能で、ステージ分類(Eatonの分類)により細かく状態を把握できるでしょう。
痛みで困っている方は、一度近隣の整骨院・接骨院や医療機関に相談してみてください。
当記事が、皆さまのお役に立てれば幸いです。
ヒグチ整骨院・鍼灸院について
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